かわいいむすこはずるい。

2016年春に息子が生まれました。

かわいいむすこはずるい。

紙オムツのストックを補充していると夫が「えらいねぇ」とニコニコしながら近づいてきて私の頭上にぬっと手を差し出した。

撫でて働く母を労ってくれるのかと喜んだら、その手は紙オムツをしまっているワゴンにつかまり立ちをして、今にも悪さをしようと企んでいる息子の頭頂部へと着地した。おい。

そして夫は「可愛いねぇ。あぁ可愛い」と鼻の下を伸ばしながら息子を抱き上げ立ち去ろうとしたので猛然と抗議した。

 

「あのですね。私、息子よりおっぱいでかいんですけど!!!」

 

馬鹿みたいなセリフだが、納得がいかない。どう考えたってえらいのは私だ。それに息子は一重瞼。私はパッチリ二重。私の鼻は高くはないがそれでも息子よりははるかに高い。私は歯並びがいい。息子は歯が生えてないのだからこれは勝負にもならない。どう考えたって可愛いのは私の方だ。

しかし夫の腕に満足そうに抱かれ、私と目が合うと「うきゃ!」と言い、満面の笑みを寄越す息子はとてつもない破壊力があった。ちょっとアンタずるいんでないかい。

 

勉強ができたって、足が速くたって、収入が多くたって、話が面白くたって、料理が上手くたって、そんなのは比較にもならないくらい、若さにひれ伏すしかない。若さこそ正義。ここのところずっとそればかりを思う。