かわいいむすこはずるい。

2016年春に息子が生まれました。

外出好きのアクティブ息子vs引きこもり母

そういえば息子に対して「早くしなさい!」と叱ったことがない。

それは私が気の長い優しいお母さんであるからとか、あるいは余裕を持ったスケジュールを立てられる有能なお母さんであるわけでは全然なくて、息子がとんでもなくお出掛けが好きだからに他ならない。

 

少しでも出かける素振りを見せようものなら散歩好きの犬のように玄関にすっ飛んで行き、勝手に靴を履く。

「まだよ。まって。ママ準備してから。じゅんび、しよう」

「早くしなさい」ではなく、必死に「待ってくれ」と訴えるのだ。

 

準備をしてから、が通じなかったもう少し小さかった頃には、スッピン部屋着で財布も携帯も鍵も持たず、最悪裸足で息子を追いかけ、結果、いつの間にか児童館にたどり着いたことが何度かあった。

 

息子は隙あらば関西弁で高らかに「いこか!」と宣言する。そして布製のヘルメットを被り、晴れた日にも傘を持ち、靴を左右逆に履き、玄関の鍵を勝手に開けて出て行くのだ。なんとも珍妙な格好ながら、キリリとした表情で三輪車にまたがる息子を笑っている余裕も無く、すごい速さで家を後にするのでほんとうにヒヤヒヤした。

 

「いこか!」コールは雨の日もインフルエンザの日も二日酔いの朝も容赦無く、なんなら帰宅して玄関に入ろうとした瞬間にまで「いこか!」だった。

 

そのパワーは凄まじかった。万年引きこもりで、お布団を何よりも愛する私を容赦なく外に連れ出した。

 

保育園に行き始めても同じだった。「ほいくえん!いこか!いえーい!しゅっぱつ しんこーん!!おてんきは、はーれー!」

 

なんたる明るい子。

 

思い返せば私など、幼稚園登園拒否&お迎えの時間まで粘り強くギャン泣きだった。小学校も登校拒否&授業の途中無断で帰宅。中学校も登校拒否&保健室登校&クラスに馴染めなかったのでよそのクラスに自主的に転クラスして授業を受けていた。高校も引き続き保健室登校&退学。大学ですら集団に馴染めず、授業の合間に保健室で寝ていたのだった。豆知識ですが大学にも保健室はあります。

 

それから寝起きが最悪な私と対照的で、息子は楽しげに歌いながら起きてきてくる。そして「じゃじゃーん!!」と自分で効果音をつけてバーンとドアを開け、ジャンプしながら母の眠る寝室へ登場するのだ。

 

息子がお腹にいる時から「自分のような陰気でひねくれた子には決して育てまい」と強く心に決め、とにかく陽気な名前を付け、褒めて褒めてチヤホヤと育ててきた事が功を奏したのか、それとも。

 

息子のようなタイプの人間と、これまでほとんど接点が無かった。保育園が楽しみな子どもなど存在しないと思っていたし、休日にまで外へ出たい人など別の世界の住人だった。

 

まさか自分のような人間に、こんな子が生まれるなどと想像だにしなかった。

だから2歳0ヶ月時点の育児の感想をまとめると
・「なんだこいつ」
・「まじかよ…」
になります。