まみたとスプラトゥーン3【スプラトゥーン友達ができました】
【過去のあらすじ】
見た目はギャル!中身は陰キャ!周囲に馴染めず浮いていたまみたがお友達を作るためにスプラトーンをやりはじめ…?
スプラトーン甲子園優勝を目指して出会った仲間と一緒に頑張るゾ!
ーー
スプラトーン甲子園出場という名目で集まった仲間たちはだいたい30代で男女半々のメンバーだったのだけど、その中でも子持ち人妻のまいちゃんとサユリさんという二人がやばかった。どうやらキラキラした素敵ママっぽいらしいのだけど、私はママ友というものにこれまでとんと縁がなく、正直ちょっとビビっていた。「ちゃんとした常識人として振る舞い、決して失礼のないよう、言動に気をつけねば」と自分に言い聞かせ、恐る恐るLINEグループ通話に参加したのだった。
まみた「こんばんはー」
サユリ「はじめましてー」
まい「よろしくおねがいしますー」
サユリ「腕前どのくらいですか?」
当たり障りのない会話できた。
まい「みんなお子さんいらっしゃるんですね?」
まみた「お子さんおいくつですか?」
大丈夫大丈夫。
サユリ「まいちゃんのプレイヤー名なに?それって下ネタだよね?」
まみた「おい」
サユリ「まみたさんはまみたなのね、よかった、私”○○ママ”とか見かけたら一番最初にキルしにいっちゃう」
まみた「おい」
めちゃめちゃ仲良くなった。
毎晩のようにスプラトーンを起動し、それぞれに家事を終わらせ子を寝かしつけ夫たちの耳を盗んで通話しながら遊んだ。
日中も我々のグループラインは動き続けた。珍言、暴言、相談、猥談。鳴り止まない通知。
まみたにお友達ができたのだった。
ある時こんなことがあった。当時2歳の息子が保育園の遠足で動物園に行く前日夜のこと。
あの頃の私は2歳のイヤイヤ期と多動、聞き分けのな等々、息子の扱いに困り果て疲れ切り、この二人のママ友によく相談をしたり愚痴をきいてもらっていたのだけれど、その夜は明日に控えた初めての親無しで保育士さんだけが同行してくれる遠足に疑問と不安でいっぱいだった。
まみた「あの手に負えない猿と、おそらく猿と似たような同級生たちをどうやって先生方は動物園なんかに連れて行くん?今ググったら2才児って6人につき保育士さん1人なんだけど。親がマンツーマンでも無理なのに。檻に入れて動物園の子にするのが一番現実的だと思う」
サユリ「まみたさん、明日仕事は?休める?そんなに気になるんだったら尾行してみたら?」
まみた「尾行」
サユリ「そう。息子くんを尾行するまみたさんを私も尾行しに行くね♡」
まみた「尾行の尾行」
サユリ「じゃ、明日朝10時に、動物園の入園ゲートに集合で」
そうして我々はめちゃめちゃ動物園デートした。とても良かった。
おわりのはじまり
しかしそんな楽しい日々も終わりが来てしまうのだった。
当初集まった目的はスプラトーン甲子園出場。その関西予選の日が近づいていた。
そして我々は、抽選に落ちた。
非常に残念、だけどしょうがない、当日都合つく人は集まろうということで、甲子園予選会場に集まって観覧した。
ひとしきり甲子園の雰囲気を味わったのち、会場近くのまいちゃんの自宅にみんなでお邪魔することになった。
もちろん皆が自分のSwitchを持参した。たくさん遊んだ。
結局全員が集まったのはあれが最後になってしまった。
甲子園出場を目的として集まったメンバーだったので、だんだんと夜遊ぶ頻度も減っていき、LINEグループも以前ほど活発に動かなくなってしまったのだった。私のスプラトーン生活はじわじわと終わりかけていた。