かわいいむすこはずるい。

2016年春に息子が生まれました。

息子2歳の誕生日に振り返る|いまだ美化されないしんどかったお産と育児

息子2歳の誕生日だったのだけど、私の持ち前のネガティブさから「2年前の今日、今まさに、とても苦しかった。早朝からずっと苦しんでたんだけど。ねぇちゃんと覚えてる?」と夫に詰め寄ったりなどした。

 

30時間を超す陣痛ののち、どうにもこうにも生まれず、帝王切開になった。そして術後直後から昼夜問わない新生児のお世話が始まったのだった。

 

あのしんどさが、2年経ってもぜんぜん美化されていない。

 

妊娠中の体調不良や不便さも加えて例えるなら「10ヶ月間腹回りをギブスの状態で過ごし、24時間マラソンを走り切ったらギブス取れるぜ!のゴール直前で交通事故にあって手術となり、術後すぐ、毎晩夜勤有りの超絶ブラック企業に入社、年間休日ゼロで働き続けた。さらに1ヶ月間は出血が続く中、なぜか血液を原料とする母乳を搾取された。自分自身はご飯もろくに食べることができなかったのになぜしかもメンタルは中学二年生以下の状態」

 

あれは正気の沙汰ではなかった。

 

諸先輩お母さん方から「可愛さで上書きされる」ときいていたけど、私の場合は「それはそれ、これはこれ」で、記憶が別名保存されているようだ。

 

「たしかに大変だったけど、可愛いさで報われた」みたいなふうには感じられず「楽で可愛いが良いにきまっている」「人間とはなんて不出来な生き物か」とブツクサ言いながら、なんとかやり過ごした2年間だった。

 

しかし当の息子にとっての、特にしっかりとしてきたこの1年間は、最高に楽しかったようだ。1歳~2歳の動画をまとめたDVDをテレビ画面で上映すると食い入るように見つめ、ケタケタ笑っている。

 

よちよち歩きの自分に対し「あっぴ(自分のあだ名)あかちゃん!」と言うので笑ってしまった。それからプールで泳ぐ様子を見て「あっぴ、トト(お父さん)と、ぷうぅ(プール)いった、なぁ」と結構な長文をしゃべった。

 

「あっぴ、こえ(これ)すべりだい!ちゅー!(滑る効果音)」「じいじ!ばあば!」「あはは、ないちゃた、なぁ」

 

そうか、そうだね、楽しかったね。いっぱいいろんなところへ行って、いろんな人に遊んでもらった。全部が初めてで、何をするのも挑戦で、思い通りにいかなくて泣いた。一生懸命だったのだ。息子だけじゃなく、私も一生懸命だったから、しんどかった。

 

そもそも世が世なら、私と息子は今ここにいられなかったかもしれないのだ。しんどかったあのお産、医療の手助けがあったからこそいられる母子健康。

 

思い返せばはじめから多くの人の手を借りて、祝福されて生まれてきた息子。両家にとっての初孫なためにチヤホヤされ、ややジャイアン気味な現在の仕上がりに一抹の不安を覚えつつも、児童館の先生、区役所の人、保育園の先生、私の友人たち、小児科の先生、スーパーの店員さん、道行くおばさま、みんなに可愛がられ手助けしてもらいながら、なんとかやってきた2年間だった。

 

良い話になった。こちらからは以上です。

 

 追記

忘れてないつもりだったけど一年前書いた誕生日の記事とテンションが違いすぎて(あれ、やっぱり忘れてるかも)という…自分でも引くくらい、無理してる人のおかしなテンションだった…

http://mamita.hatenablog.com/entry/2017/02/15/083010

 

産んだ直後に書いたのはこれ…

http://mamita.hatenablog.com/entry/2016/02/07/000000